この記事では、溶接部の強度設計について説明します。 1.そもそも溶接とは? 最初に溶接について簡単に説明しておきます。 (※ 溶接なんか知っているよ!って人は2章まで飛ばしてください。) 溶接とは、部材と部材を接合する方法の1つ(溶接接合)です。 溶接工として働く場合、アーク溶接やスポット溶接以外にも身につけたい方法がレーザー溶接です。この記事ではレーザー溶接の原理や代表的な種類のほか、メリット・デメリットについても解説します。自動車のマフラーを溶接したい人や疲労強度が気になる人も参考にしてください。 All Rights Reserved. 溶接品質を損なう、ピット、アンダーカット、オーバーラップ、余盛り不足、ビード割れ、アークストライク、ビード蛇行、ビード曲がり、開先残存など溶接欠陥について解説します。キーエンスが運営する溶接革命では、溶接に関する基礎知識から最新情報まで分かりやすく解説しています。 半自動溶接を行う際に必要な半自動溶接機にはいくつか機械の種類があり、それぞれ対応する溶接方法が異なります。続いては、それら機械の主なものと選び方をご紹介します。 ガスシールドアーク溶接機 溶接のイメージは下の写真の様に、工場とかで火花をバチバチさせながらやっているあれです!, これは何をいているかと言うと、熱によって金属を部分的に溶かし、部材どうしを接合しているんです。, さきほどまで写真でお見せしていたのは、①のアーク溶接です。火花を飛ばしながら光っているあれがアークです。, 一方、②電気抵抗溶接は、スポット溶接などです。スポット溶接とは部材どうしを押し当て、そこに大電流を流すことで溶融させ圧着させる方です。他にもシームレス溶接などもあります。, 溶接部は、もともと別々の部材を溶融により接合した部分なので、母材(溶接していない部分の材質)と比べて強度が低くなります。強度が下がる原因はこんな感じ。, 以上の要因から、溶接部の強度設計をするときは許容応力を低く見積もる必要があります。, 実際設計をする上で参考になるのは、日本機械学会による軟鋼溶接継手の許容応力を示したものです。(下表), また、設計強度は作業法、溶接棒の種類、作業者の技能などの条件に応じ、設計者が定める値としており、通常の母材の強さの70〜85%とするのが適当とされています。, 実際の実務上は、上記表を用いる もしくは 普段使用している母材許容応力に70〜85%を掛けた値を溶接部の許容応力として評価することになります。, 溶接部の強度設計も4つの力(引張・圧縮・曲げ・ねじり応力)と同様に、発生応力が許容応力以下となるように設計します。, 応力は基本的に、荷重/断面積で求めることができますが、溶接部の場合はのど厚を使って断面積を算出する必要があります。, 突き合わせ溶接の「のど厚」は、溶接の外に盛り上がる部分(余盛)を含まない板厚です。(上のイラスト参照), 板の溶接面から45°斜めの溶接部厚さがのど厚になります。単純に、板と溶接されている面の長さではないので注意しましょう。, 最後に、①引張応力と②曲げ応力を足して、組み合わせ応力を算出し、許容応力と比較します。, 溶接部の強度設計方法について説明しました。基本的な部分から、少し実践的な内容と幅広く学ぶことができると思います。, 今まで溶接について全く触れたことがない人は、この記事を読み込むのと初心者向けの参考書をあわせて読むと効率的に知識が身につくと思います。, トコトンやさしい〇〇シリーズは、一番最初に読むのに丁度いいレベルなのでおすすめです。, 溶接部以外にもさまざまな機械設計に関する記事を書いているので、参考にしてみてください。, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。. サイズの許容値については、下記の記事が参考になります。 のど厚の基礎知識と、溶接サイズとの関係. 単純な引張・圧縮でも実はせん断力が作用している!?斜め45°にせん断される理由とは?. 半自動溶接機の主な種類と選び方. 溶接の分類・メカニズムといった基本知識から、自動化・トラブル対応のノウハウまでをまとめました。. 溶接部の強度とは?溶接部の耐力の計算方法と許容応力度、材料強度. 溶接部の脚長とは?サイズとどう違う?脚長の基礎知識. Copyright © 2020 KEYENCE CORPORATION. Copyright © 2020 KEYENCE CORPORATION. 溶接工程は、適切な溶接設計に基づき、図面通りに接合することが原則となりますが、溶接部の外観や強度といった「溶接品質」を担保することが必須となります。ここでは、溶接品質を損なう代表的な表面欠陥をご紹介します。なお、「溶接部外観検査基準(JASS 6-20011)」では、それぞれの表面欠陥に対する管理許容差や限界許容差が詳細に定義されており、欠陥に該当するか否かの判断には精度の高い検査が求められます。, 溶接金属内部に発生したガス孔が、ビード表面に放出されたときに穴となって固まった表面欠陥を「ピット(開口欠陥)」と呼びます。一方、ビード内部のガス孔は、「ブローホール」と呼ばれる内部欠陥です。ともに発生原因として、シールドガスの不良や脱酸材の不足、母材開先面の油分や錆、メッキなどの表面付着材、材料中の水分などが挙げられます。, アンダーカットは「母材または既溶接の上に溶接して生じた止端の溝」とJISで定義されています。一般的に溶接電流や溶接速度が過剰に高いことが発生原因となります。また、ウィービングの幅が大きすぎても、アンダーカット発生の原因になるため注意を要します。, 母材表面にあふれ出た溶融金属が、母材を溶融しないまま冷えると発生します。一般的に、溶接速度が低いため、溶着金属量が過剰になり発生します。また、すみ肉溶接で発生する場合は、過剰な溶融金属が重力で垂れ下がり発生します。溶接条件の見直し(溶接速度を高くする、溶接電流を減らすなど)による対策が必要です。, 余盛りとは、「開先又はすみ肉溶接で必要寸法以上に表面から盛り上がった溶着金属」とJISで定義されています。, 溶接直後の高温状態で溶接部に発生するひび割れのことです。「凝固割れ」「液化割れ」に大別され、凝固割れは凝固時に発生する割れで、液化割れは多層溶接時に前の溶接層が次の溶接により溶けて発生する割れです。また、発生位置や形状によって、「縦割れ」「止端割れ」「横割れ」「クレーター割れ」などに分類されます。, 「母材の上に瞬間的にアークを飛ばし、直ちに切ること。またはそれによって起こる欠陥」とJISで定義されています。つまりアーク溶接において、アークの発生不良の跡がその後の溶接で溶かされず、母材に残ったものです。アークストライクは、母材の割れの原因となる危険性があります。また、大粒のスパッタが付着し跡が残った場合にも、同様の欠陥が発生することがあります。, ビードが蛇行することで、溶接線からずれてしまう欠陥です。原因としては、自動供給する溶接ワイヤの曲がりや線ぐせの矯正不良、溶接線と線ぐせの方向が直交しているケースが考えられます。また、ワイヤ供給速度と溶接電流の設定値が対応していない場合にも発生することがあります。, 開先の始点から終点まで、連続したビードが形成できていないために、溶接されていない開先が残っている状態です。ロボット溶接で、始点や終点付近にこの欠陥が発生している場合は、ロボットの制御に問題があることが考えられます。また、アークやガス・ワイヤ供給などが不安定な場合は、ビードの中間地点でも開先残存が発生してしまうことがあります。. All Rights Reserved. 溶接製品のに求められる品質、溶接継手の種類や継手効率、強度品質と強度を損なう溶接欠陥について体系的にご説明します。キーエンスが運営する溶接革命では、溶接に関する基礎知識から最新情報まで分かりやすく解説しています。 溶接の種類と、隅肉溶接、突き合わせ溶接の特徴 . ©Copyright2020 アイランドLOG.All Rights Reserved. 溶接の分類・メカニズムといった基本知識から、自動化・トラブル対応のノウハウまでをまとめました。. 溶接の品質を審査することは大変重要で、たえずシビアな品質管理が要求されています。ここでは、溶接に求められる品質について解説します。, このような高品質な製品を実現するための「溶接品質」の基本的な条件として、下記の項目が挙げられます。, 一部の特殊な母材を除き、「溶接継手の強度は母材と同じとみなす」とされています。溶接継手には、母材の接合方法によってさまざまな種類があり、溶接の強度は母材どうしのどの部分をどう溶接するかによって異なります。このため、効率よく高い品質の溶接を行うには、溶接後の製品に加わる力の向きも考慮する必要があります。また、溶接継手の溶け込みは、溶接の強度や品質・作業の能率にとって重要で、母材の形状や必要とする強度に応じた使い分けが必要です。溶接継手は、溶接部の形状によって図のように分類されます。, この分類は一例です。分類にはさまざまな手法があり、必ずしも上の表のとおりとは限りません。, 「開先溶接」や「すみ肉溶接」が一般的な溶接継手で、「プラグ溶接」や「スロット溶接」は特殊であるといわれています。「突合せ溶接」は、2つの母材がほとんど同一面に位置する継手を溶接することを指しますが、同一面に位置しない「T継手」や「かど継手」でも完全溶け込み溶接である場合は、「突き合わせ溶接」と呼ばれることがあります。, 溶接継手の強度品質は、工法に加え、材料の強度による「継手効率」とも密接に関係します。継手効率と溶接継手の強度・母材の強度の関係は、以下の式で表せます。, 例えば、構造用鋼の「突合せ継手」では、溶接金属と熱影響部の強度は母材よりも高くなります。そして、継手に対して直角方向に荷重が作用すると、母材に破断が生じる可能性が高くなります。これは、継手の延性と強度が母材の強度と同じかそれ以上であるためで、継手効率は100%以上と考えることができます。, また、高張力鋼(ハイテン)やアルミ合金の大入熱溶接、加工硬化したオーステナイト系ステンレス鋼、熱処理アルミ合金の溶接では、溶接時に熱の影響を受けた部分が軟化します。そして、溶接金属の強度が母材に比べて低い場合は、継手が破断します。この場合の継手効率は80~70%、またはそれ以下と考えられます。, 溶接の欠陥や品質を高めるために、溶接設計の段階で用途に適した素材・工法を採用することは重要です。しかし、適切に設計されていても、溶接の工程で欠陥が発生すると品質に大きな影響を与えます。例えば、ビードの欠陥は、外観だけではなく強度にも大きく影響します。つまり、ピットやアンダーカットやオーバーラップ、余盛り不足、割れ(表面)、ビード蛇行、開先残存、アークストライクといった外観欠陥は、溶接品質の欠陥そのものを表しているといえます。そのため、ビードの外観に関する管理許容誤差や限界許容誤差は「溶接部外観検査基準(JASS 6-20011)」において詳細に定義されています。, ここでは、品質に大きく関わる溶接欠陥の例や、品質維持に欠かせない検査方法、そしてテクノロジーを駆使し合理化を実現した最新の検査事例についても解説します。.