この記事の3つのポイント ・BCG効果がなくなった初期膀胱がんに対するキイトルーダの有効性を探索 ・キイトルーダにより40%が完全奏効 ・膀胱摘出を避けることができる可能性 10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されたESMO2018 で、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ… 2020年1月8日(米現地時間)、米国食品医薬品局(FDA)は、BCG療法が不適格な高リスクの筋層非浸潤性膀胱がん患者の治療薬として、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ、以下キイトルーダ)を承認したことを発表した。 投与できる患者は、乳頭状腫瘍の有無に関わらず高リスク筋 … 膀胱がんは、がんの中では、比較的早期発見しやすいがんと言われますが、早期発見できないと、全摘出の可能性が高いがん。いま、その膀胱がんの治療が、やさしい治療へと大きく変わりつつあります。病気の特徴と、最新の治療について。1月22日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。, 膀胱がんの年間の罹患者数は、2万1千人、その内亡くなる人は、8800人です。男性の方が女性より3~4倍多く、かかるがんです。膀胱は、骨盤内にある臓器で、腎臓で作られた尿が運ばれ、一時的に溜まる場所です。袋のような形をしている膀胱は、粘膜に覆われているんですが、膀胱がんは、その粘膜が、がん化することによって引き起これます。, やはり他のがんと同じく、大事なのは、早期発見。ほとんどの膀胱がん患者さんは、血尿で発見されています。尿が赤く血が混じっている、または排尿の後血がポトンと垂れた、という発見の仕方です。ただ、この出血を知っても放置している人が少なくありません。というのも、一度血尿が出ても、その後しばらく、出血がないケースがあるからです。2年後に久しぶりの血尿が出て、その時には、がんが、かなり進行していることも。また、血尿で特段の痛みが無いことも、放っておいてしまうことにつながっています。逆に痛みのある場合は、かなり悪性度の高いがんの可能性もあります。, 特に、リスクの高い人は意識して、40歳を超えたら、尿の検査を受けてほしいですね。リスクとしてはっきりしているのは「タバコ」で、リスクはニコチンの量に比例します。タバコを吸っていると、リスクがおよそ4倍になることがわかっています。また、現在は使用や輸入が制限されている化学物質が、リスクを高めることも。ゴム・皮などの工場で、染め物の材料として使われる、アニリン色素などの化学薬品です。膀胱には、成人ではおよそ300ミリリットルの尿が、一時的に、貯めるわけですが、排尿を我慢することが続けば、そうしたリスクも、一緒に溜め込むことになります。十分な水分をとり、尿を我慢しないことを心がけるのが良いでしょう。検査でがんの疑いが出れば、どこまで深く浸透してしまっているか、検査します。大きく分けると2つ、まだ浅い段階のがんと筋肉にまで入り込んだ段階のがんの2つです。それぞれの治療を見ていきます, まず、浅い段階で早期発見できた場合、内視鏡で、がんの部分を削りとっていきますが・・・手術はこれだけではありません。この膀胱がんは、膀胱がん内で、何度も再発することが、特徴のがんです。そのため、再発を抑えるための処置が必要になります。ここで利用するのは、膀胱の「溜め込む」機能。再発防止の処置として、膀胱内に抗がん剤、もしくはBCGを注入します。BCGという言葉は聞き覚えがあると思いますが、結核予防のためのワクチンです。なぜBCGを注入するのかと言うと、BCGでがん細胞を直接叩くのではなく、BCGを注入して炎症を起こすと、リンパ球や免疫物質が出てくる。それががん細胞を叩くのです。このBCGの投与は、毎1回、1か月から2か月ほどの期間行います。ちなみに、膀胱がんになった85%の人は、早期の悪性度の低いがんです。5年生存率も9割を超えますので、しっかり治る段階です。また、膀胱をしっかり残すことができますので、血尿を見つけたら泌尿器科で受診を。, 筋肉にまで入り込んだ段階に進んでしますと、内視鏡の段階を超え、多くの場合は、膀胱を全て切除する手術となってしまいます。その後は、人工的に、尿の通り道作ったり、人工的な膀胱を用意することになります。ただ、最近大きく変わりつつあるのが、この全摘手術の段階に至った人への治療です。まず、この手術で大変なのが、出血が多いことです。手術中に大量の輸血や、止血作業が必要な上、術後に再出血するリスクがありました。そうしたこともあって、特に、心臓などに病気がある人は開腹手術すらできませんでした。, こうした課題を抱える膀胱がんの手術に、いま期待が集まるのが、ダヴィンチを使ったロボット手術です。出血量が開腹手術の10分の1程で、手術時間も短く、傷口も小さく済みます。これまでこのロボット手術は自費でしたが、この春にも保険適用の可能性があります。いまロボット手術を行っているのは、弘前大、秋田大、順天堂、神戸大、鳥取大です。ダヴィンチの特許が切れたので、日本製の安いロボット手術の機器も近々登場します。, 一方で、中には、手術を希望しない、または、摘出手術ができない、例えば他の臓器への転移が進んだ患者さんもいます。こうした場合は、全身化学療法として、抗がん剤治療が残り少ない選択肢となります。ただ、抗がん剤は、使っているうちに、徐々に効果が薄れてきます。手術や抗がん剤治療など手を尽くしたのに、また再発する可能性もあります。そこに、新たな選択肢として、登場し期待を集めているのが、「キイトルーダ」です。「キイトルーダ」は、免疫の働きを生かし、がん細胞を叩く「免疫チェックポイント阻害薬」の一つです。この「キイトルーダ」が、膀胱がん治療で、先月から保険適用になりました。, キイトルーダは、免疫の働きを生かす、ほかの薬オプジーボなどに比べても、遺伝子変異が多いがんに効果が高い、という特徴があります。膀胱がんは、遺伝子変異が他のがんに比べて多い特徴があるので、イトルーダは、実際、延命効果を出しています。抗がん剤治療にくらべ、死亡リスクが27%減少したので、あまりの効果に臨床試験が中止されました・・・抗がん剤を使っている人が、かわいそうとなったからです。このように新たな選択肢が、広がりつつはあるものの、やはり膀胱がんも、なんとか早期発見、早期治療で、膀胱切除を、食い止めたいところ・・・・。, 松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180122080000, お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。, http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180122080000. 2020年1月8日(米現地時間)、米国食品医薬品局(FDA)は、BCG療法が不適格な高リスクの筋層非浸潤性膀胱がん患者の治療薬として、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ、以下キイトルーダ)を承認したことを発表した。, 投与できる患者は、乳頭状腫瘍の有無に関わらず高リスク筋層非浸潤性膀胱がん(CIS)を伴う筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)で、膀胱切除が不適格であることを条件とした。, 今回の承認は、高リスクNMIBC患者148人の単群試験で有効性を調査したKEYNOTE-057試験の結果に基づくもの。参加者のうち、96人は乳頭腫瘍を伴うまたは伴わないBCG非応答CISを有していた。, 患者は3週間ごとにキイトルーダ200mgを、毒性、再発、増悪が伴わないよう、最長24か月まで投与された。, 有効性と認められた主要な評価項目は、完全寛解(膀胱鏡検査の陰性結果で定義)、尿細胞診、およびコンピュータ断層撮影尿路造影画像診断および奏功期間であった。, CISを伴う高リスクのBCG陰性筋層非浸潤性膀胱がん患者96人の完全奏効率は41%(95% CI: 31, 51)であり、奏効期間の中央値は16.2か月であった。投与患者のうち46%が、少なくとも12か月間完全奏功を示した。, KEYNOTE-057試験でキイトルーダを投与された患者の最も一般的な副作用は、疲労、下痢、発疹、かゆみ、筋骨格痛、血尿、咳、関節痛、悪心、便秘、尿路感染、末梢浮腫、甲状腺機能低下および鼻咽頭炎であった(いずれも10%以上の発生率)。, 関連記事: この「キイトルーダ」が、膀胱がん治療で、先月から保険適用になりました。 ★膀胱がんの特性に合った薬. 初期膀胱がんに対してキイトルーダの完全奏効率は38%と有効な可能性, 参照元: 2014年7月に浸潤性膀胱癌(t2a-g3)と診断。その後膀胱温存を目指しtur-btを複数回実施するも再発が止まらず、2017年5月に膀胱全摘出手術を受け回腸導管によるストーマ増設を行い身体障害者となる。術後リンパ節転移が見つかりgc療法を6クール受けるも腫瘍は小さくならず効果なしの判定。 10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されたESMO2018 で、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が、上皮内(CIS)腫瘍またはCIS+乳頭状腫瘍を有する治療歴のある高リスク筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC;本記事では初期膀胱がんと記す)患者(コホートA)を対象とした第2相試験(KEYNOTE-057、NCT02625961)の中間解析の結果がエラスムスMCがん研究所泌尿生殖器がん実験的全身治療グループのリーダーであるRonald de Wit氏らによって報告された(abstract #864O)。免疫チェックポイント阻害薬の初期膀胱がんに対する第2相試験結果は初のことである。初期膀胱がんについては、以下を参考のこと。, この試験の主要評価項目の中間解析では、現在の標準治療であるBCG療法が不応となり、根治的膀胱切除術が適さないか根治的膀胱切除術を拒否した患者において、キイトルーダ投与開始後3カ月の完全奏効(CR)率は38.8%(95% CI:29.4~48.9)(n=103)となった。, KEYNOTE-057は、BCG療法が不応となり、根治的膀胱切除術が適さないか、根治的膀胱切除術を拒否した高リスク初期膀胱がん患者に対するキイトルーダ単独療法を検討する第2相試験となる。この試験の主要評価項目は、CR率(コホートAのみ)と無再発生存率(コホートBのみ)。副次的評価項目は安全性と奏効期間となる。, 目標登録患者数は、CISまたはCIS+乳頭状腫瘍を有する患者(コホートA)(n=130)およびCISを伴わない乳頭状腫瘍を有する患者(コホートB)(n=130)の2つのコホートで260例となる。いずれのコホートの患者にもキイトルーダ(200 mgの固定用量を3週間ごとに1回投与)を再発、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで、あるいは疾患進行のない場合は最大24カ月後まで投与する。, この試験では、十分なBCG療法を行っても初期膀胱がんの持続または再発したがん、または十分なBCG導入療法を行ってもStageの進展したがんを「BCG療法が不応となった高リスク初期膀胱がん」と定義した。米国がん合同委員会(AJCC)によるTNM分類でT1、high-grade TaまたはCISと診断された患者を高リスクと判断した。, 今回、発表されたデータは、CISまたはCIS+乳頭状腫瘍を有する患者(コホートA)(n=103)の中間解析で得られたものとなる。投与開始後3カ月のCR率は38.8%(95% CI:29.4~48.9)(n=40/103)となった。投与開始後3カ月の非CR率は55.3%(95% CI:45.2~65.1)(n=57/103)であり、初期膀胱がんの持続(CISまたはCIS+乳頭状腫瘍)、初期膀胱がんのStageの進展(投与開始前のCISまたはCIS+high-grade TaからT1への進行)または膀胱外病変がみられた。, 解析の時点では、奏効例の72.5%で奏効が持続し(n=29/40)、25%でCRの達成後に再発がみられた(n=10/40)。再発がみられなかった患者1例は試験治療を中止し、別の治療を開始した。コホートAでは筋層浸潤性または転移性尿路上皮がんはみられなかった。カプランマイヤー法では、投与開始後3カ月時点でCRを達成した患者のうち80%でCRが6カ月以上持続した。奏効期間の中央値にはまだ到達していない(範囲:0カ月以上~14.1カ月以上)。追跡期間の中央値は14.0カ月(範囲:4.0~26.3カ月)だった。, 本試験におけるキイトルーダの安全性は、これまでの試験においてキイトルーダを単独投与した患者で報告されたものと一貫していた。治療との関連性が否定できない有害事象は63.1%の患者に認められた。治療との関連性が否定できない有害事象のうち高頻度に認められたもの(発現率5%以上)は掻痒感(10.7%)、倦怠感(9.7%)、下痢(8.7%)、甲状腺機能低下症(5.8%)および斑状丘疹(5.8%)だった。治療との関連性が否定できないグレード3~5の有害事象は13例(12.6%)に認められ、治験責任医師により治療との関連性が否定できないと判定された死亡は1例に認められた。, Ronald de Wit氏は「これまで高リスク筋層非浸潤性膀胱がんの治療選択肢は限られており、再発した場合には、多くの患者さんが唯一の選択肢である手術に頼らなければなりませんでした。また、高リスク筋層非浸潤性膀胱がんのうち、約40%が筋層浸潤性膀胱がんに移行します。今回のKEYNOTE-057のデータは、治療が難しく、手術が適さない膀胱がん患者さんの励みになります」と述べた。, なお、Keynote-057試験は日本も参加しており、現在も被験者募集中であるため、興味がある方はオンコロまで問い合わせてほしい。, このサイトは、 信頼できる医療・ 健康情報のための 倫理標準である HONcodeの条件を満たしています。 こちらから確認してください。, がん情報サイト「オンコロ」は3Hメディソリューション株式会社/3Hクリニカルトライアル株式会社が運営しています。, 局所進行性または転移性の尿路上皮がん(膀胱がんの一種)の対象患者に対する治療としてFDAの承認を取得, 進行非小細胞肺がんの1次治療で化学療法とキイトルーダの併用は全生存期間と無増悪生存期間を有意に延長, 非小細胞肺がん 免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(キイトルーダ) 初回治療として生存期間を延長, 複数治療歴のあるHER2陽性RAS遺伝子陰性の進行性大腸がん患者に対するエンハーツ、客観的奏効率45.3%を示す, 治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者に対するベネクレクスタ+ベルケイド+デキサメタゾン併用療法、無増悪生存期間を統計学有意に改善, 「希望、捨てないで」沖尚高3年の片山さん、闘病エッセー全国最優秀 白血病の経験語る, 富士通、スパコン「富岳」を利用しがんの浸潤や転移との関連を予測する計算を1日以内で実現, 【第33回 乳がん動画公開】大阪オンコロジーセミナー Meeting the Cancer Experts, 治療歴のある進行性子宮頸がんに対するカムレリズマブ+アパチニブ併用療法、客観的奏効率55.6%を示す, EGFR陽性非小細胞肺がんに対する一次治療としてのジオトリフ+アービタックス併用療法、無増悪生存期間を統計学有意に改善せず, 【日本肺癌学会学術集会】「肺癌撲滅を目指して2020」のハイブリット開催に懸けるその想い, 進行性腎細胞がんに対するファーストラインとしてキイトルーダ+インライタ併用療法、全生存期間と無増悪生存期間を統計学的有意に改善. キイトルーダは、免疫の働きを生かす、ほかの薬オプジーボなどに比べても、遺伝子変異が多いがんに効果が高い、という特徴があります。 膀胱癌で最終的にステージⅢ。その後の闘病と生活をポジティブに綴ります(*^^)v 2014年7月に浸潤性膀胱癌T2aG3と診断。膀胱摘出といわれたが温存を希望し、7回TUR-Btを行ったが再発が治らず、その後ガンが進行し膀胱全摘出を決断。 FDA Resources for Information on Approved Drugs, このサイトは、 信頼できる医療・ 健康情報のための 倫理標準である HONcodeの条件を満たしています。 こちらから確認してください。, がん情報サイト「オンコロ」は3Hメディソリューション株式会社/3Hクリニカルトライアル株式会社が運営しています。, FDA Resources for Information on Approved Drugs, 局所進行性または転移性の尿路上皮がん(膀胱がんの一種)の対象患者に対する治療としてFDAの承認を取得, FDA(米国)初、キイトルーダがMSI-HまたはdMMRを有する固形がん対象に承認 ~5つの臨床試験データより~, 膀胱癌の新薬テセントリク(アテゾリズマブ)の治験を受ける前に知っておきたい7つのこと, 非小細胞肺がん初回治療、キイトルーダ単独または併用療法で最長2年以上の長期フォローアップ最新データと日本人データ ASCO2017×JSMO2017, 324種類の遺伝子変異、2種のゲノムサインを一度に測定できるコンパニオン診断がFDAより承認される, 治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者に対するベネクレクスタ+ベルケイド+デキサメタゾン併用療法、無増悪生存期間を統計学有意に改善, 「希望、捨てないで」沖尚高3年の片山さん、闘病エッセー全国最優秀 白血病の経験語る, 富士通、スパコン「富岳」を利用しがんの浸潤や転移との関連を予測する計算を1日以内で実現, 【第33回 乳がん動画公開】大阪オンコロジーセミナー Meeting the Cancer Experts, 治療歴のある進行性子宮頸がんに対するカムレリズマブ+アパチニブ併用療法、客観的奏効率55.6%を示す, EGFR陽性非小細胞肺がんに対する一次治療としてのジオトリフ+アービタックス併用療法、無増悪生存期間を統計学有意に改善せず, 【日本肺癌学会学術集会】「肺癌撲滅を目指して2020」のハイブリット開催に懸けるその想い, 進行性腎細胞がんに対するファーストラインとしてキイトルーダ+インライタ併用療法、全生存期間と無増悪生存期間を統計学的有意に改善. 特集「膀胱がん」 第1回 ~初発筋層非浸潤性膀胱がんとBCG療法~ 膀胱癌に関しては、5月にct定期検査などありましたがお陰様でな〜〜〜んも問題ありません2017年5月の手術でリンパ節へに転移が見つかり、化学療法ダメで、キイトルーダも大腸炎の副作用で投与中止となり、ある意味放置状態で今日を迎えています。 特集 膀胱がん 第2回「BCG抵抗性となった筋層非浸潤性膀胱がんの治療選択」